Another

Ty120127

ひさしぶりに、本の紹介をさせていただきます^^。
寒い日は引きこもって、お茶とお菓子をいただきながら
ミステリ三昧、というのが理想の生活よ(笑)。

綾辻行人「Another」(2009 角川書店)

 * * *

1998年、春。
夜見山北中学に転校してきた3年生の榊原恒一は
何かに怯えるようなクラスの雰囲気に、違和感を覚える。

病院で出会った不思議な少女メイに惹かれ
接触をこころみる恒一だが、謎は深まるばかり。
そんな折、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた……。

 * * *

綾辻行人の「館シリーズ」と「新本格ムーブメント」については
映画「蝋人形の館」のレビューのなかで、いろいろ説明しておりますが
正直わたくし、ここ数年は、綾辻氏の作品から離れておりました。
館シリーズの最新作「暗黒館の殺人」で、ちょっとガッカリしたせいです。

だけどつい先日、新しくできたミステリ仲間から
「新作の『Another』がスゴイよ!」
って教えてもらって、読んでみたところ

いやいや、もう……。

わたし、綾辻さんをどうやら見誤っていたのだと
今さらながら、気づかされました。

この作家さんのいちばんの良さというのは
なんと申しますか、子ども的感覚というか
単純に人をびっくりさせようとか、面白がらせようとする
無邪気な遊びごころ、それに尽きると思うのです。

大人の技術を持った永遠の子ども、とでもいいましょうか。

それを、例えば「もっと人が描けていれば」とか
「年齢相応の深みを」とか、そんな
ピント外れなことを求めるのが、間違いなんだと気づいた。

でもこれって、読み手のタイミングもあるでしょうね。
人間、もっと人を描いた年齢相応の物語をむしょうに読みたい時期もある(笑)。
(ひょっとしたら、作者自身も
 そういうものを書こうとして葛藤してた時期もあるのかも?)

この「Another」は「いやいや、そういうモノなくて良し!」と
完全に開き直った感があります。
中学3年生の主人公の視点で描かれているのも
たぶん、効果を増していますね。
ダマシのテクニックにおいては、憎たらしいくらいに見事。
「ぜったい左手に何か隠し持ってるぞ」って、思ってるのに
ふと気づくと、右手に注目させられてたというような、あの悔しさといったら
あああ、なんて気持ちいいんでしょう!

で、じつに映像的な作品なんだけど
(メイちゃんの声が、ずっと綾波レイの口調で浮かんでいたざます)
トリックがアレだけに、映像化はないだろうって思ってたら
なんと、1月からアニメ化で(もうなってるのか?)
夏には映画にもなるって!

(゜ロ゜;まじですかーーーー!!!!
アレのトリックはいったいどうなるのか、どうなるのか。

Tc0603
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カティンの森(2)

Ty120120

ドトールコーヒーの、いまの季節限定メニューは
「チキンと野菜のホワイトクリーム」ですってよ、奥さま!

この写真で見るとたいしたことないが
お店の前にかざってあるのは、さすがプロというか
ホントにおいしそうで、温かそうで、おまけに「とろとろ」とか
書いてあるもんだから(笑)ついついフラフラと入ってしまいます。

北の国で捕虜になったり、収容所に入れられた人たちって
温かい食べ物って食べられたのかな。きっと食べられなかったんだろうな……。

というわけで、つづき。
「カティンの森」(2007/ポーランド/アンジェイ・ワイダ監督)

 * * *

アウシュビッツの名がせっかく出たので
ナチスの迫害についての話を、ちょっと続けていいかな?

その、ポーランドの歴史を教えてくれた人によると
「ナチスがユダヤ人を迫害した」という歴史は、まちがいではないけど
正確に事実を伝えている、というわけでもないそうです。
(以下、聞きかじりなので、これも正確でもないかも)

迫害されたのは、もちろんユダヤ人もだけど
“劣等”とされた、その他の多くの少数民族の人たち。
ユダヤ人はご存知のとおり、お金持ちがたくさんいたので
アメリカに亡命して「自分たちの同胞が迫害された」と
多くの人々に訴えることができました。

でも、その他の貧しい人たちは、終戦とともに
共産圏(ソ連)に取り込まれてしまったため
訴えたくても訴えられない状況になってしまった、ということ。
現地に住んでる者の実感としては
ジプシーたちがいちばん多かったんじゃないか、という話でした。

……ちなみに、わたしのメモには
「600万人(死)」って、自分の字ででなぐり書きしてあるんだけど
これってきっと、国全体で600万人が死んだってことだよね……。

1991年に、共産主義が崩壊して
それで資本主義が勝ったのかというと、決してそうではありません。
鉄棒ぶらさがり競争に例えたら、資本主義のほうがちょっとだけガマン強くて
ちょっとだけ長い時間、ぶら下がれただけのように思えます。

そして、どんな体制の世の中であっても
いちばん弱い人たちが、いちばん割りを食うという
社会の構図が変わらないのは、なんだか悔しいし、悲しい。

Tc0212
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カティンの森(1)

Ty120116

なぜか、ドトールコーヒーの季節限定メニューに
心惹かれる、今日このごろ……(ウフ)。
写真は、ついこないだ終了した「煮込みハンバーグ」です。

ところで、先日の「アトミックカフェ」を見た上映会では
こんな作品も、上映されていました。

「カティンの森」
(2007/ポーランド/アンジェイ・ワイダ監督)

 * * *

1939年9月、ポーランドは
西からドイツ、東からソ連に侵攻される。

クラクフに住むアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)は娘を連れ
夫のアンジェイ大尉(アルトゥル・ジミイェフスキ)を
探しに東へ行く。
アンジェイやその仲間のイェジ(アンジェイ・ヒラ)たちは
ソ連軍の捕虜となり、アンナの目の前で、収容所へ連れ去られてしまった。
アンナはクラクフに戻ろうとするが、今度は国境を越えられない。

いっぽうクラクフでは
アンジェイの父が、ドイツ軍によって収容所に送られてしまう。
ソ連に連れ去られたアンジェイたちの行方も、ようとして知れない。

そして1943年4月、ドイツは占領したソ連領のカティンで、
多数のポーランド人将校の遺体を発見した、と発表した。

 * * *

ちょうど、ポーランドの人から
ポーランドの歴史について聞いたばかりのときに見たので
その点でも、きょうみ深かったんです。

ポーランドという国は、海岸線がない内陸の国なので
つねに国境線が動いてて、国の形が定まったことがない。

……というそれを、アニメーションで一気に見せてもらったんだけど
いやあ、びっくりした。
日本みたいに「海岸線」=「国の形」じゃない国があるって
知識ではわかってても、ビジュアルで見せられると、衝撃です。

そして、この映画の背景となった時代には
国さえ消えたという事実。
あのナチスドイツと、あのソ連にはさまれて
ポーランドの人たちがどんだけひどい目にあったか
想像できますか? できませんよね!

登場人物が多いのと、お話が長くて暗いのとで
そりゃもーへとへとに疲れるんですけど(汗)
これはちゃんと見ておかないとって、思える映画です。

終盤の「カティンの森」シーンは、圧巻(といって良いのかわからんが)。
人間、ああもなれるもんなのか。
やったほうを心配してどうすんだって話だけど
あれで気がおかしくなった敵兵士も、いるんじゃないだろうか。

アウシュビッツのヘス所長が、あれだけのひどいことをやってのけたのは
ひとえに、命令された任務だったから、みたいな内容のことを
何かで読んだと思うんだけども、きっとあれもそうなんだろうな。

事件の犯人が、歴史的状況によってコロコロ変わるというのも
いかにもありそうなことで、怖い話です。

Tc0212
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 カティンの森@ぴあ映画生活

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最後の晩餐

Ty120109

そうそう、ブラックユーモアたっぷり、といえば
こんな映画も見ました。

「最後の晩餐 平和主義者の連続殺人」

          (1995/アメリカ/ステーシー・タイトル監督)
 * * *

アメリカ、アイオワ州。
一軒の家で共同生活を営む、5人の平和主義者のインテリ学生。
ある日、車が故障したメンバーを助けた
トラック運転手を、夕食に招待する。

全員で食卓をかこむが
トラック運転手は、じつは極端な愛国主義者で、危険思想の持ち主。
思いもよらぬ口論のすえ、5人は彼を殺してしまう。

「危険人物を抹殺するのは人類のためになる」と
自分たちの行為について、正当化した彼らは
彼らとちがう思想を持つ人々を、夕食に招いては
殺人をくりかえしていく。

 * * *

オープニングが、グランマ・モーゼスっぽい
牧歌的な、でもどことなく暗い絵だなあって思いながら
ぼーっと見てたんですけど
途中でハッとして、すごく怖い絵だってことに気づきました(><)。
かなり毒のあるブラックコメディです。

学生さんのひとりを、キャメロン・ディアスが演じています。
ゴメン、最後まで5人の名前がよくわかんなかったんだけど
とりあえず顔の区別ができたら、お話は進むから(笑)。

むしろ、どちらかというと
殺される側の、それぞれのキャラの濃さに目が行っちゃいますねえ。
さしづめあそこって、アメリカの地元民が

「いるいる~、近所にこんな(極端な)人~!」

って、大笑いするシーンなんでしょうねえ(笑)。
「アトミック・カフェ」のときもだったけど
ふつうなら人々を導いたり、教えさとす役割の人が
平気でトンデモ発言をするのも、なんともはやって感じですし(;´Д`)。

だけど、いずれにせよ
いくら自分がエリートだからって、殺人はよくない。
けっきょくは、デスノートを拾った夜神月と同じ道をあわわわわ(以下自粛)。

んでもって、エンディングが少年ナイフ(懐~!)ちゅうとこが
これがじつにナイスで!!!!!

Tc0216
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 最後の晩餐 平和主義者の連続殺人@ぴあ映画生活

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アトミック・カフェ

Ty120104

あけましておめでとうございます。

皆さん、お年越しはどうやって過ごされましたか?
わたしは、とある映画を見ていましたところ
こともあろうに、日付が2012年に変わったとたん
ドカーンと全人類が滅亡……という
ある意味、とても華々しい幕開けを迎えました。

というわけで、新年そうそうドカーンな、この映画をご紹介。

「アトミック・カフェ」
(1982/アメリカ
  /ケヴィン・ラファティ、ジェーン・ローダー、ピアース・ラファティ監督)

米ソの原爆製造競争が激しかった冷戦当時
アメリカ政府によって作られたニュースや政府の広報フィルム。

原爆が、いかに安全で害がなくて未来をバラ色にするものであるかを
真面目に説いているこれらの映像と音声は、政府や軍部が
どんだけウソっこきだったかと、証明するものでありますが

この「アトミック・カフェ」は、それらをつなぎ合わせて編集した
ブラックユーモアたっぷりのドキュメンタリー映画です。

マイケル・ムーアが、かなり影響を受けたということで
興味を持っていた作品です。
昨年、上映会があったので、チャンスとばかり見てきました。

プログラムが、原爆を描いた暗い映画「この子を残して」の
すぐ後だったのだけど
敗戦国と勝戦国のちがいは、こんなにもあるのかと愕然とした。
いやいや、戦争に勝ったアメリカが
どんだけ調子ぶっこいてたかってお話ですよ、ははは。

でも、そんな人たちを笑えないのは自明のこと。
誰だってね、状況がそうなればね
こんなふうに“バカ”になっちゃうんだろうからね。

本当にビックリしたのが、いまから核実験に臨むのに
兵隊さんたちが、フツーの兵隊さんの格好で
それに、ちゃちな子どもだましみたいなバッヂをつけて
「これで放射能を計るから大丈夫!」とか言ってるとこ。
「いやいやいやいや、ムリだよ。それじゃあムリだよ」
って、大声でつっこみそうになりましたさ。

あと、核爆弾が落ちたら「伏せて~覆って~(Duck and Cover)♪」って
すてきにハモって歌ってるとこ。
「いやいやいやいや、ムリだよ。それじゃあムリだよ」
って、大笑いしそうになりましたさ。

残念だったのが、こんなに楽しい映画の評判を
みんな知らないのか、観客が、かなり少なかったこと。
翌日の「チェルノブイリハート」は
話題作ということもあって満員だったのに。ちょっと悔しいなあ。

Tc0701
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