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2013年8月

アラビアのロレンス(2)

Ty130803

すみませんすみません(汗)。更新を怠けたうえ
名作映画を相手に、不謹慎にも腐女子フルスロットルです!
(おまけに現実の中東あたりって、いま大変なことになってるし……)

衝撃の
「ロレンスはトルコでレイプされちゃったんだよねー」発言。

もちろん映画では、そんなことに触れてないし
何やかんやと別の理由をピーター・オトゥールが喋ります。
しかし、ここにすごく強引な不自然さを感じたのは
わたしは子どもゴコロに間違ってなかったんだな……と。
今回、午前十時の映画祭「アラビアのロレンス」に赴いたのは
そのへんを確かめたかったこともあったのでした……。

 * * *

本当にそういうことであったのなら
彼の、あのふさぎ込みようは、すべて納得がいくのです。
女性ならともかく(女性ならOKってわけじゃないよ。
人の尊厳を奪う卑劣で最低な行為です、レイプは!)
どうやったってロレンスは
「植民地時代における大英帝国の将校」ですから。
ましてや、貴族の血だって引いてる。
他の人ほどあからさまでなくても、無意識にでも
差別意識やエリート意識があったはずです。

ちなみに、ちょっと話がそれるのですけど
子ども時代に愛読していた「ドリトル先生」。
書かれたのは20世紀初頭で、ロレンスとほぼ同時代。
人間も動物も虫もみんな同等の仲間という内容で
子ども時代は大好きだったのですが
大人になって、あらためて読んでみると
以外にも、作者の差別や偏見が、かいまみえます。
いくら良心的で、進歩的な考えを持った人でも
きっとこの時代はまだ、普通にこうだったんでしょう。

 * * *

そういう自尊心を
(あろうことか有色人種に!)ズタズタにされた。
同時に、自分にそういう他の人種に対する
偏見があったことに、今さらながら自分も気付いた。

異国で見つけた自分の居場所と、受け入れてくれた仲間たち。
英雄となって、ブイブイ大活躍して
「彼らのために戦うオレって超カッコイイー!」
という「中二病」的な(笑)甘い部分も打ち砕かれた。
友人アリ(オマル・シャリーフ)が、気遣ってくれるのも
ありがたいけど、本当はつらかったんよ。

ロレンスは、身体を傷つけられるとともに
心にも、相当ふかい痛手を負ったと思うのです。
「早く帰りたい」
「アラブ(こんな忌まわしい場所)にはもういたくない」
というのは、まぎれもなく彼の本音でしょう。

そんな折、祖国イギリスがフランスとともに
アラブに対して、トルコに代わる
新しい支配者となろうと、目論んでいることを知るわけです。

本当は、アラビアが大大大好きなロレンス。
好きでなけりゃ、誰があの過酷な砂漠のど真ん中で
慣習も宗教も価値観もちがう人たちと
何日間もいっしょに過ごせるわけなかろう!

自分トコの国にやられるくらいなら
せめてアラブの人たちに独立を……と思って
悲愴な覚悟で「ダマスカス侵攻」を行うも
(道中の惨劇でのロレンスは、あきらかにPTSDの発作)
そんな彼の切実な気持ちは、アラブの人たちには届かなかった。

でも、ひょっとしたらそれは全部
彼のひとりよがりだったのかもしれない。
アラブの人たちにとっては「よけいなお世話」だったのかも。
とくに、100年経ってまた混乱中の、現在の状態を見るとね……はぁ。

 * * *

T・E・ロレンスという人物が
けっして「英雄」などではなく
歴史の流れと、大国の都合に翻弄された
ひとりのちっぽけな人間だったというところに
わたしは感銘を受けました。

でも、ひとりで異文化の場所に行って
すっかり馴染んじゃうんだもの。
きっと、相当な大物だったんだと思います。
お調子者で、マイペースで(笑)
付き合ったら、おもしろいヤツだったにちがいないよ!
他の軍人たちが見るからに暑苦しいブーツ履いてて
どんなことがあっても、ぜったい脱ごうとしないのに
ひとり珍妙な丈のズボン姿です。
オアシスで裸足になってくつろいでるとこ
なんか良いです。とっても彼らしいし、チャーミング。

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アラビアのロレンス(1)

Ty130803
中東風にティータイム。

このくそ暑いなか、くそ暑い場所の映画を見てきました。
午前十時の映画祭で、見てきました。

「アラビアのロレンス」(1962/イギリス/デヴィッド・リーン監督)

 * * *

第一次世界大戦下の1916年。
カイロに赴任している
英国陸軍将校ロレンス(ピーター・オトゥール)。
トルコ(オスマン帝国)に反乱をいどむ
アラブ民族の現状を確かめにアラビアへ向かう。

アラブのリーダー、ファイサル王子(アレック・ギネス)と
面会したロレンスは独立闘争への協力を約束する。

ロレンスがたてた戦術は
トルコが占拠する港湾都市アカバを
砂漠を渡り内陸から攻撃するというものだった。

 * * *

誰もが知ってる名作中の名作で、映像がすばらしいとか
役者さんたちがすばらしいとか、すでにもう
みんなが言いまくってることなので……

この際だから、何十年も
わたしの心にわだかまっていた思いを
ぶちまけちゃっていいだろうか!

いいよね!?

この映画を見たのは、子どものころで
2回に分けてTV放映があったのを見たのです。
とにかく「すごかったなあ」という印象が強いのですが
(まあ、その頃は戦争とかよくわかってないので
 金髪の兄ちゃんが砂漠で大活躍、カッコイーみたいな)
ひとつ、どうしても腑に落ちない部分があった。
トルコにつかまったあとのロレンスの落ち込みようが
尋常じゃないのが意味不明で
その後の彼の心の不安定さについても
いまいちよくわからなかった。

ずいぶんあとになって
実在のT・E・ロレンスについて書かれた本を読みました。
そこに書かれていた文章で
「ロレンスはトルコでレイプを受けて云々……」
と、あったのです。
これは、本がいま手もとにないので
確認しようがないんですけど……
しかし、この一文を読んで、わたしは
あの映画で引っかかっていた部分が
「あっなるほど」と、ぜんぶ納得できたんです。

でもね、でも……かなりデリケートな話ですよね?
(実際ロレンスさんは、この話は一切してないらしい)
こんな話をうれしそうに(うれしそうにかよ!)するのも
いくらわたしが腐女子だといっても
かなり気後れします……なにしろ相手は名作映画ですもの。

 * * *

そんなわけで、この事実
ずーっと心に秘めたままで、黙ってたんですけど
つい先日、フランス人の中年男性が
「ロレンスはトルコでレイプされちゃったんだよねー」
って、いとも簡単に喋ってくれた(爆)。

えっ何? ヨーロッパでは常識?
ま、まさか、わが国において、
「戦国武将の時代には男色が一般的(ウフ)」
というのと同じくらい、じ、常識?
まさかヨーロッパだけでなく、全世界において、常識?

ということで、カミングアウトと相成ったわけです。

もちろん映画では、そんなことに触れてないし
何やかんやと別の理由を、ピーター・オトゥールが喋ります。
しかし、ここにすごく強引な不自然さを感じたのは
わたしは子どもゴコロに間違ってなかったんだな……と。
今回、午前十時の映画祭「アラビアのロレンス」に赴いたのは
そのへんを確かめたかったこともあったのでした。

で、ですね。
そういう話を頭に入れて見てますとですね。

……やられとりますわ(泣)。

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 アラビアのロレンス@ぴあ映画生活

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