書籍・雑誌

ガリレオ

※カテゴリー「書籍・雑誌」を選ぶと
 同カテゴリーの文章を、まとめて読むことができます。
 記事は、日付の新しいものが下になっています。

Ty02

またまた余談ですいません(笑)。
だってだって、夕べ放映されてた「ガリレオ」
すっごく、すっごく面白かったんだも~ん。

ダークサイドの香取慎吾さんを、ひさしぶりに堪能できましたし
(あらまあ、シャワーシーンもあるのね。あらまあ)
福山雅治さんは、これまでしみじみ見たことはなかったのですが
やっぱり格好いいですね。とくに唇がキュート。
「さすがananランキング上位だ!」と思いました。

え、さて東野圭吾。
実はわたくし、わりと初期の作品しか読んでおりません。
初めて読んだのが、科学的トリックを使った作品で
「えらくマニアックやなぁ」と思ったのが、印象に残っています。

「マニアックな作家」という印象のまま、ボーッとしていて
ふと気づくと、東野圭吾さんは、直木賞作家になってて
ハードカバーが書店で平積みになるような、ヒットメーカーになってて
おまけに作風が、なんだか社会派推理小説っぽくなってて

「あれっ、わたし好みのマニアックな
    あのミステリ作家はいったいどこへ?」
と戸惑ったまま、なかなか新しい本に
手をつけることができなかったのですが

いやあ「ガリレオ」。
こんな超好みの作品に、ドラマ化されるまで気づかんかったとは
(しかも、このシリーズの「容疑者Xの献身」が直木賞だったんじゃないか!)
わたし自身が、とことん迂闊だったとしか思えない。ああ……。

映像で見せる科学トリックのケレン味も、さることながら
探偵役・湯川の、人に容赦なく切り込むするどい洞察がたまらんです。

「探偵ガリレオ」「予知夢」
まずドラマで楽しみたいので、しばらくお預けするけど
ドラマ終わったら、ちゃんと読むぜい!

Tc0202
人気ブログランキングP-NETBANKINGランキング

| | コメント (0)

西澤保彦ミステリ三昧

05

この秋はわたくし、ミステリ三昧でした。
とくにハマったのは、西澤保彦です。
せっかくなので、読んだ順番に紹介などやってしまいます。

 * * *

両性具有迷宮(2001年 双葉社・2005年 双葉文庫)

実在する官能作家、森奈津子嬢をヒロインにした
ミステリだかSFだかエロ小説なんだか、よくわからない1本。

何しろ、宇宙船から放たれた謎の光線によって
十数人の女性の股間に、イチモツ(!)が生えてしまう
という、トンデモナイ設定なのですから。

おまけに町では、連続殺人事件がッ!

果たして、彼女らはもとの身体に戻れるのか? とか
殺人事件の真相は? とか、気になることは多々あれども

ヒロイン奈津子嬢の、妄想機関車っぷりがすさまじく
ぐいぐいと引っぱられて、読みすすんでしまいます。
シリアスなクライマックスシーンを除けば
とても気軽に楽しく読めた(そーとーHな)作品でした。

神のロジック・人間(ひと)のマジック(2003年 文藝春秋・2006年 文春文庫)

わたしが愛してやまない「箱庭的ミステリ」作品。

とある辺鄙な土地に建つ、奇妙な学校。
そこに暮らしている、数人の少年少女が主人公。
何のための学校だかが、まるで謎なのだが
それぞれ推理合戦を重ねていくうち、やがて事件が起きて……という物語。

読みながら、ずっと何かねじれのようなものは感じていたのですが
それが何かはわからないまま、終盤まで一気に。

気持ちよかったです。じつに切ない、破滅的なラスト。

フェティッシュ (2005年 集英社)

美少年クルミ(あるいはラザルス)との出会いによって
秘められた欲望に火がつき、運命を狂わされる人々。

複数の時間軸で、複数の視点がからみつつ物語が進行します。
果たして、救済は訪れるのでしょうか。

盲目的に倒錯的に破壊的に崇拝してしまう
人には言えないようなモノって、けっこうあるものです。
わたしにもありますが(ここでは申しませんが)
「犯罪がらみになるのだけは、なるべく避けたい」と、心の底から思いました。

そして今は「神麻嗣子シリーズ」(講談社ノベルズ)に、取りかかってます。

「超能力者問題秘密対策委員会出張相談員(略してチョーモンイン)」の
ハカマ姿の天然系美少女、神麻嗣子(かんおみつぎこ)嬢が
世間で起きた「超能力がらみ」の難事件にいどむシリーズ。

SF設定なのに、中身は本格的なパズラー小説。
コミカルで漫画チックなお話に見えて
描かれている事件や人間は、けっこう重かったりして
そのアンバランスさが、なかなか魅力的ですね。

ただ、シリーズの途中から読んでしまったがために
キャラクターがよくわかりませんでした(汗)。

「各エピソードは独立しているから、どれから読んでもかまわないが
時系列に沿って読んだほうが、シリーズのディテールがわかって面白い」
と、いうようなことを、西澤保彦さんご本人も、あとがきの中でおっしゃっています。
これ、2000年にはじまったシリーズらしいんだけど、ちゃんと続けて読もうかな。
いまはもう完結してるのかな? してないのかな?

 * * *

以上! お正月に読む本などの参考になれば、さいわいです!

……え、まだクリスマスでもないのに、気が早い?

Tc0105
人気ブログランキングP-NETBANKINGランキング

     

 ←とりあえず代表でコレ

| | コメント (0)

楽園&ピース

みなさま、2008年のお年越しはどうやって過ごされましたか?

わたくしは、年末の寒波襲来のせいで
やろうと思っていた大掃除も、一気にやる気をなくしまして。

「松の内のあいだに読めばいいや~」なんて思っていた
宮部みゆき「楽園」(2007年 文藝春秋) に
ほんのちょっとのつもりで、手を出したおかげで
紅白歌合戦も忘れ、除夜の鐘の音さえ聞く余裕がないという
とんでもない年越しになりました。

 * * *

「楽園」は、「模倣犯」 (2001年 小学館・2005年 新潮文庫)
の、続編にあたる作品です。

物語としては独立しているので、「楽園」をまず読んでもかまわないのですが
「あの事件」が、登場人物の心に強い影を落としている、という設定なので
「模倣犯」を、読んでいるに越したことはないと思います。

映画を見る、という手もあるのかしら。
あ、いや、あの映画はなんちゅーか……ち、違う話でございますし(笑)
ただ、極悪犯ピースのビジュアル的な参考にはなりますよね(←そこかよ!)。

実際「あの事件」のその後が語られている部分も、わずかですがあります。

・開廷早々の不規則発言で、退廷を命じられる極悪犯ピース(中居正広)
・死刑判決を受ける極悪犯ピース(中居正広)
・拘禁反応が重くなり、医療的な対処を検討される極悪犯ピース(中居正広)

Ty11

……などの姿をじっくり思い浮かべては、妄想超特急を走らせ
煩悩全開のまま、新年を迎えたのだとは言えませんが、とても言えませんが。

 * * *

ところで、ぜんぜん話は変わります。

数年前のある日のことです。歯がめちゃめちゃに痛くなりました。
歯、というより、痛いのはどうやら歯ぐきです。
昔ひどく痛めて、根っこまで抜いたその歯のあとでした。
それがもう、神経だってないはずなのに激痛です。
数日間、様子をみたけど痛みはひどくなるばかりで、意を決して歯医者に行きました。

歯医者さんは言いました。
「ああ、こりゃ歯周病だね。歯を抜いたそのまわりにウミが溜っとる」
抜くほど悪くなった歯のまわりは、組織が相当に痛めつけられているのだそうです。
だから病気などにも、かかりやすいそうなのです。

その時は、せっかく治療していた歯をふたたび掘り返し、消毒しなおしました。
けっこう大変な思いをしましたが、それで終わると思っていました。

ところが数年後、その部分がふたたび腫れたのです。
今度は歯ぐきの外側に、ぷっくりと。あわてて歯医者に駆け込みました。

歯医者さんいわく
「歯ぐきが、ふたたび化膿しとる。
 ただ今度は、そのウミが内側ではなく、外に出てしまった状態だよ」
前回と同じようにウミが内側に行ってしまうと、激痛になるのだそうです。

痛くないのがさいわいでしたが
先生の、ボソリとつぶやいたひと言が気になりました。
「うーむ、この歯はC6までいっとるけん、またくり返すかもしれん……」

ものすごく悪くなったため、抜くしかなかった虫歯の根もとです。
若いころは「ひどくなったら抜いちゃえばいいや~」なんて軽く思っていました。
じつは、そんな簡単なものではなかったわけです。

 * * *

「楽園」を読みおわったあと、わたしはそういういきさつである
自分の歯のことなどを、つらつらと考えてしまいました。

何かを切り捨てなければ、排除しなければ、得ることのできない幸福。

だけど排除したところで、繰り返される痛み。

なによりも、排除したそれは、かつては自分の一部だったものなのです。

 * * *

「模倣犯」のとき、読むのが本当に苦しかった、という記憶があるので
今回も相当の覚悟をして臨んだのですが、じつは意外とスルッと読めてしまいました。

ピースを上回る極悪犯が、そうそう出てくるわけではないでしょうし
そんな、ジャンプの連載マンガ(?)みたいな、悪のインフレ現象も困りますが
なんとなく、物足りなく感じたのも確かです。

あと、大きな謎がひとつ回収されないまま残っているのですけど
どうなんだろう。
……もしかして、次の作品への布石?(嬉)

Tc0115
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

 

| | コメント (2)

七回死んだ男

03

今日は、ひさびさに本のお話です!

西澤保彦「七回死んだ男」(1998 講談社文庫)は
同じ日を、自分だけが9回もくり返してしまうという
(時をかける少女ならぬ、時をくり返す少年?)
特異体質を持った16歳の高校生、久太郎(別名キュータロー)が
財産争いのなか起きた殺人事件を防ごうと、奔走する物語です。

この特異体質の結果、実際の年齢よりも精神が老けてしまったという
キュータロー少年役を、最近の自分のブームも手伝い
松山ケンイチくんで脳内変換イメージして、読んでみたところ
これがまた、ピッタリハマって、ハマってハマりまくって(笑)。

一見、ボーッとしてるところとか、ジジムサイところとか。
めちゃくちゃに泥酔してる(16歳なのに)ところとか。
ふだんの丁寧口調とか、名探偵ぶりを発揮するときの丁寧口調とか。

あと落ち込んでるとこ。憔悴してるとこ、憔悴しきってるとこ。
まるで、目の前にいるように具体的に思い浮かべられたのは、何故?

ちなみに、服装は赤いトレーナーとちゃんちゃんこだー!

ほかの登場人物たちは、キュータロー少年が見せる
みごとな洞察力に、かなり舌を巻いたりしていますが
何のことはありません。
これまで何回か、くり返してきた同じ日のなかで
自分だけが得ている情報、というだけです。

いやいやそれでも、キュータロー少年はがんばります。
最悪の事態になるのを防ごうと、必死で考えて
いろんな手段に打って出るんだけど、そのどれもが失敗。

ちょうど……そうですね。
セーブしたとこから、何度も挑戦してみてるのに
毎回バッドエンディングになるTVゲーム(笑)みたいな感じですね。

くり返される日数は9回と限られています。
果たしてキュータロー少年
うまく殺人事件を回避することができるのでしょうか!?

 * * *

西澤保彦氏の作品はたいへん好きで、何本も読んでいるのですが
この作品、うかつにも読んだことがありませんでした。
彼の最高傑作といわれているのに!

いや本当におもしろかった。おもしろかった。
日を繰り返すにつれ、混乱の度合いがエスカレートしていくのもおかしいし
やっと解決かと思ったら、最後にもひとつポーンと仕掛けられてるし。
とにかくこれ、最高でした。

キュータロー(わたしの脳内では松ケン)。きみ、がんばったよ!

Tc0205
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

世界の終わり、あるいは始まり

03

何の因縁なのか、先日から
「メメント」「ネクスト」「七回死んだ男」などと
たて続けに、時間の描きかたに特徴のある映画や小説を
観たり読んだりしていたわけです。

歌野晶午「世界の終わり、あるいは始まり」
(2002 角川書店・2006 角川文庫)
も、そのひとつだといってよいのであろうか?

 * * *

あらすじ言ったら面白くなくなるので、喋りませんが
「自分の子どもが犯罪者かもしれない!」と
とにかくめちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ思い悩む
お父さんのお話です。

物語の途中で、仕掛けられているトリックには
賛否両論あるようですが、わたしとしては超オッケーでした。
反則じゃないと思うよ。反則ギリギリだけど(笑)。

ただ、ラストへ持っていくための、オブジェクトの登場が
ちょっと唐突に思えて、違和感を感じました。
「終わらせるために出しただろ?」という
なんだか、そこだけ浮いてる印象があるんですね。

よく思い出してみれば
物語の途中で、「それ」はちゃんと登場してはいるんだけど
それがきちんと読者(ていうかわたし)の中に引っかかっていなかったから
ああいう、とって付けたような印象になったのかな。

例えると「良いダシなのに味がしみてないおでんの具」のようで
いまいちその最高の威力を発揮しきれてない、というか。

ラストが、ちょっと物足りないのはそのせいかもしれません。
「反則ギリギリで最終ラウンドまでもつれ込み
   そのまま逃げて、は……判定勝ち?」みたいな感じもします。

面白かったんだけど、何かいまひとつスッキリしなかった試合みたいな。

 * * *

それにしても、歌野晶午氏については
正直、むかしの作風(家シリーズとか)しか知らなかったので
「葉桜の季節に君を想うということ」(2003 文藝春秋・2007 文春文庫)を
去年に読んで、そりゃおったまげたのだった。

ずいぶん体力のある、腰の入った作家さんになったものです。
こりゃあ、今後も見逃せない!

Tc0303
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ユージニア

Ty18lyaこの挿絵に意味はないです

北陸の古都、金沢には
数年前、行こうと思ってけっこう具体的なプランまでたてたのに
とある理由で、オシャカになっちゃって(涙)
結局それから行けていないという、切な~い思い出がありますの。

その街を、舞台にしている物語ということで
ちょっと思い入れもありながら、読んでしまいました。
描かれた独特の閉塞感と、空気のどんよりした重い感じは
わたしが抱いていた、街のイメージそのものでした。

恩田陸「ユージニア」(2005 角川書店・2008 角川文庫)

 * * *

とある旧家で起きた、集団毒殺事件。

17人もの犠牲者を出した、数十年前の惨劇の謎を
「その事件にかかわった人の語り」というかたちで解いていきます。
それはまるで、ぐるぐると渦をまいている螺旋の中心に
ゆっくりと、向かっていくような感覚。

その中で、いくつかの事実が明らかになりつつも
明確な答えは出ないまま、やがて物語は終わりを向かえます。
ですがそれは「世の中のグレーゾーンを書きたい」と
インタビューで語っていた
作者、恩田陸氏の意図するところだと思いますから
その部分については、まったく異存はありません。

ただ、おりしも読了後、ボヤ~ンと虚しい余韻にひたっているところに
あの「ロス疑惑事件」三浦和義氏の、訃報のニュースが入り
なおいっそう、虚脱感が深まってしまったのでありました。

ぜんぜん縁もゆかりもない、TVで見てるだけの人間でも
「もう、真実がわからなくなってしまった」ということで
こんなやるせない気持ちになるのですから
直接の関係者の思いは、いかばかりであろうか。

 * * *

あ、強いていうならひとつだけ引っかかった箇所が。

もし、物語の中で犯人と示唆され
みんなも「この人なんだろうなー」と考えている人が真犯人で
そして、その人が言ったことが、ほんとうに真実だとしたら

ちょっと許せない部分が、わたしにはありますのや。

Tc0205
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

女王様と私

01

わたしは普段、小説などを読むとき
キャラクターに、実在の役者さんとか
友だちとか、近所の人とか
具体的に、あてはまりそうな顔を思い浮かべて読むのがクセなのですが
今回ばかりは、ほとほと困りました。
だって主人公は
「無職で引きこもりの妄想癖のあるロリコンおたくでデブでメガネでロン毛」
という、想像するだにキモチ悪いヤツなんですもん(笑)。

「そんな主人公のイメージにぴったり!」
などといわれた日にゃ、言われた本人は泣きたくなるだろうし
イメージするほうも、正直ぜんぜん楽しくないです……。

というわけで、今回はそのへんをボンヤリさせたままで進行。
歌野晶午「女王様と私」(2005 角川書店)

 * * *

無職で引きこもりの妄想癖のあるロリコンおたくでデブでメガネでロン毛
という主人公、真藤数馬が
「女王様」と出会い、下僕のように扱われるあたりまで
「うへえ」とか思いつつ、2百円コーヒーショップにて一気に読み
ほとほと疲れ果てて、自宅に帰って、風呂と食事をすませたあと
「どれどれ、しゃあないからあのキモチ悪いお話の続きでも読むか……」と
ページをめくったとたん、これが
少女連続殺人事件勃発、というトンデモナイ展開になっていた。

「女王様」を救うために外に出て、探偵役を務めようとする
無職で引きこもりの妄想癖のあるロリコンおたくでデブで
メガネ(女王様に言われたので髪は切った)の主人公、真藤数馬。

ひょっとして、この殺人事件の解決を通して
ダメ人間が成長するという、さわやかストーリーか?

と想像し、彼と女王様に対して、少し好感度を上げたのもつかのま
またまたトンデモナイ展開が(笑)。

 * * *

もうこれ以上いうと
ネタバレになるような気がするので、やめときますが
とにかくまた「世界の終わり、あるいは始まり」同様
反則ギリギリのワザで、ぐいぐい迫ってくるんですわこれが。
ああキモイ。ウザイキモイと思いながらも
最後まで一気に読ませてしまう力は、さすがです。

そして、読み終えたのち
「ああ、主人公を具体的にイメージしてなくて本当によかった」
と、ココロから思ったのでした。
後味はすごく悪いけど、読後感はスッキリ!(笑)

あと、装丁がすごくかっこいいです。目を惹きます。
でもくれぐれも「あっ表紙裏になんかいろいろ書いてある~」
って思って、読んじゃったりしないように。

悔しい思いをすることウケアイですから!

Tc0501
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ドミノ

03

恩田陸氏の著作については
先日、「ユージニア」を、紹介していましたが
読んだのは、じつはこっちのほうが先です。

恩田陸「ドミノ」(2001 角川書店・2004 角川文庫)

先日レビューを書いた、歌野晶午「女王様と私」と
この「ドミノ」の2冊を
図書館から借りてきて、読んだわけなのですが
両方を読んでしまったあとに、つくづく思ったんです。
「ああ『ドミノ』をあとにしといて、本当によかった~」って(笑)。

 * * *

赤レンガの東京駅を舞台とした
シチュエーションコメディ風の小説です。
いつもの恩田陸とは、少々作風が違う気がします。

一億円の契約を持って走る生命保険会社
ミュージカルのオーディションを受ける子役少女
推理合戦をする大学生グループ
別れ話の進むカップル
俳句会に出席するため地方から上京した老人
ホラー映画のカリスマ監督とその連れ……などなど
とにかく、さまざまな登場人物(計27人+1匹)が
一気に出てきて、さながら
往年のパニック映画のイントロのよう。

本のしょっぱなに、人物紹介の欄がいちおうありますが
(単行本には、似顔絵までついていたらしい)
ちょっとすごいのは、これをぜんぜん見てなくても
登場しているキャラクターの見わけがつく、ということ。
本当にわたしは、まったく見ずに読みましたから!

ほとんど「あれこれ誰だっけ?」なんて前に戻ることもなく
スピーディかつトリッキーな展開で
ラストまで、ぐいぐい読み進めることができます。
恩田陸のこのうまさ、タダモノじゃない。

この登場人物たちが、さまざまな状況でぶつかったり
クロスしたり、合流したりしながら
最後には、東京駅がとんでもないパニック状況に陥ります。

ちょっとムチャかな(笑)と思う部分もあるけど
エンターテインメントだもん、これぐらいド派手でいいよね!

 * * *

恩田陸氏の、腕の確かさをじっくり味わいつつ
軽く、気負わずに読める1本でした。
読後感は、もちろんスッキリ!

Tc0109
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

となり町戦争

01

いまでは、そういうこともなくなったのですが
うちの電話番号、どこぞの青年会議所か商工会議所だかに酷似しているらしく
むかしは結構、まちがいファクスが届いておりました。

いわゆる「町おこし」の企画書などもありまして
「へえ~、いろんな町おこしイベントがあるもんだ」と関心しつつ
そのまちがいファクスを、眺めていたものでありましたが

三崎亜記「となり町戦争」(2004 集英社・2006 集英社文庫)は
「戦争」をそんな町おこしに使っているという、ぶっ飛んだお話です。

 * * *

ある日、広報に載った、となり町との戦争開始のお知らせ。
偵察業務に就かされた主人公「僕」は、その業務遂行のため
となり町戦争推進室の、香西という女性と便宜上、結婚して
ふたりでとなり町に暮らすことになる。

しかし、戦時にもかかわらず、町はあくまで平穏。
かろうじて戦争状態と感じられるのは、広報で発表される戦死者の数だけ。

戦争に対する実感のないまま、となり町との戦いは続き
やがて「僕」自身が、それに巻き込まれる日が来た。

「戦争」の正体を、見たと思ったのもつかのま
それは再びうやむやな形になり、やがて「僕」の前から姿を消す。

 * * *

この物語で描かれる戦争の、実態のなさは
まさに、自分たちがいま現実にみている戦争を想起させ、じつに気色が悪いです。

戦争をあくまでも「公共事業」としているお役所についても同様で
うちの地元で、みんなよくわからないまま進んでいるらしい
「世界的にも貴重な自然資源とされている海をわざわざ埋め立て農地にする計画」
「そこまで金をかけても意味はないと皆が感じているのになぜか進む新幹線計画」
などのことまで、ついつい思い浮かべてしまいましたさ(苦笑)。

どんなにTVを見ても、インターネットで調べてもわからないと思う。
わたしたちが見たいのは、知りたいのは、そんな「情報」なんかじゃないんだよね。
もっと本質的なもの、というか。うまく言えないのだけれど。

逃走中の「僕」が、隠れた段ボール箱の中で感じた、何かの重み。
あれが、わたしにはけっこうズシリときました。
あと、文庫版には特別書き下ろしのサイドストーリーがついてて
それがまた、ズシリときます。

 * * *

あと、すっごく下らない余談なんですけど……。
いつも何だかぼーっとしてる、この主人公「僕」のイメージを
「ポカリスエットイオンウォーターのCMに出てたつよぽん」
で、読んだんです(「しみるなー」って窓ぎわでつぶやくやつ)。

この小説が映画になっていると知り、さっそく調べてみたところ
香西さん役の原田知世さんが、イメージぴったりだったのに対し
「僕」のイメージが、全然ちがう役者さんだったのでびっくり。
いや、江口洋介さんに罪はないけど(汗)あまりにもちがうでしょ、ちがうでしょ。
「ポカリスエットイオンウォーターのCMに出てたつよぽん」とは!

Tc0205
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

青空の卵

今日は、本の話題です。
「ひきこもり探偵シリーズ」というキャッチフレーズに
惹かれて、手に取った一作。
坂木司「青空の卵」(2002 東京創元社・2006 創元推理文庫)

うわ、うわあああ! な、なんだこれは!

この物語の語り手で
ワトソン役でもある「坂木司」のキャラクター造形は
まるで、うちのオリジナルキャラ・大山賢太なのだ。
いや、あそこまでバカでは決してないが(汗)
持っている雰囲気は、すっかりお、お、お、大山である!

さらに探偵役の「鳥井真一」は、ひきこもりで
他人とのコミュニケーションがうまくとれず
甘党で、全国銘菓をネットでお取り寄せするのが趣味なのだ。
もちろん、小柄・口が悪い・料理上手などの差異もあるけれども
これはまるで、名探偵え、え、え、Lである!
(し、し、しかも少々よっちゃんテイスト入り)

ああ、そうです。そうなのです。
わたしの脳内で、すっかりみだらに変換されてしまったこのお話は

大山とLの、夢のコラボレ~ショ~ン!!!

Ty17l12

この時点で、わたしはマトモな判断力を失いました。

 * * *

とにかくこいつら、いつもいつも
イチャイチャイチャイチャしてんのよッ!

坂木くんは、いつも鳥井のことを狂おしいほどに心配していて
鳥井は鳥井で、普段はクールなキャラなのに
坂木がちょっとでも涙ぐむと、つられて泣いちゃって
しまいにゃふたりでべそべそ泣いちゃって

「おまいらー!」って後ろからドーンと突き飛ばしてやろうかい
と思うぐらい、イチャイチャイチャイチャなのよッ!

 * * *

ミステリのつもりで読み始めたのですが
(ええ、たしかに創元推理文庫となっています)

ふたりの関係に、あまりにもこうふんしすぎて
中身を、ちゃんと憶えていません!(爆)

Tc0403
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

仔羊の巣

先日、アップいたしておりました
「ひきこもり探偵シリーズ」第一作「青空の卵」のレビューでは
あまりにも乱れた自分を、さらけ出してしまい
まことに申しわけありませんでした……。

しぬほど反省して
続編「仔羊の巣」(2003 東京創元社・2006 創元推理文庫) では
きちんとした感想を書こうと
そう決意して、ページをめくったとたん!

イヤ~~~ン!

鳥井ちゃんてば、夏カゼひいてる~!
病院に行かないつって、ダダこねてる~!
坂木がそれを、必死で介抱してる~~!

この時点でわたしは、ふたたびマトモな判断力を失いました。

相変わらずの、ふたりのイチャイチャぶりで
なんちゅうかもー、ミステリどころではありません。
おまけに今回はこいつら、ホモに間違われさえします。

Ty17l13

キャ~~~ン!(はなぢブーーーッ!)

 * * *

ハア、ハア……失礼……つかまつった。

ええもう、せっかくですから、このまま勢いに乗って
次の「動物園の鳥」まで一気に読みます!

でもね、次でシリーズ完結なんだから
もうちょっと、落ち着こうね
ちゃんと、まともに読もうね、自分。

Tc0403
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

動物園の鳥

理性を失くして読んだ「ひきこもり探偵シリーズ」でしたが
この完結編「動物園の鳥」まで読み終えて
ようやく気持ちを落ち着け、冷静になることができました。

ええ……本当に、あれではただの変態。腐女子の叫びでした。反省。
ここ数日の、ほかの文章を読みかえしてみても
わたしは、ちょっとおかしかったみたいです。反省。

というわけで、真面目にいきます(汗)。
坂木司「動物園の鳥」(2004 東京創元社・2006 創元推理文庫)

登場人物が、自分の創造したキャラクター(大山)に似てる
もしくは、自分がめちゃめちゃハマったキャラ(L)に似てる
というのが、まず理性を失くした原因でしたが(笑)

Ty17l12

ということは、要するに
おそらく、作者の坂木司氏とわたしはひょっとして
ものの考えかたがよく似ている、というか
表現したいことが似てるのではないか、と思ったのです。

もちろんあちらはプロの作家さんで
わたしは、しがない文をブログに書き連ねているだけの素人ですが(汗)。

わたしもたぶん、こんなふうに
人が、人との関わりのなかで
ゆるやかに成長していくようなお話を
書きたいと思っているんだろうな。

 * * *

鳥井真一というキャラクターについて興味深かったのが
次々と、自分の部屋に人を引き入れている、ということでした。
まあ、坂木が次々に連れてくるというのもあるんですけど。
鳥井が外に出たがらない、というのもあるんですけど(笑)。

じつはここ、最初はすごく違和感を感じてたんです。
おわゆる「ひきこもり」といわれるような人が
そんなに簡単に、他人を自分の陣地内に入れられるのかなって。
(わたし自身が他人をうちに呼ぶのに緊張するタイプだから
よけいに、気になったのかもしれませんが)

でね、ずっと読んでいて思ったのですよ。
鳥井は、もともと人が嫌いなわけではないんだろうって。

その証拠に、彼が作る料理は本当においしそうで
おもてなしの心に、あふれているからです。
料理って、当人のこだわり以上に
「他人が食べる」という前提がないと
そこまで気をいれて、作れないと思うんですよ。
(ちなみに「動物園の鳥」文庫版は、レシピ付)

鳥井のひきこもりは、きっと
たまたま最初に、合わないものを口にしたせいで
アレルギーを起こしたようなものです。

「一病息災」などといいますが
人間関係にも、同じことがいえるのではないでしょうか。
他人との関係で、つらいことを経験した人のほうが
きっと人に気を遣うことができて、人を理解することができる。

いつのまにか、鳥井のまわりにも
そういう人たちがワヤワヤと(そう、まさにワヤワヤと)増えてきて
外の世界が、彼を受け入れる人間関係へと変わってゆきます。
(あたしゃテキトーにそのへんに混じって
坂木と鳥井のイチャイチャを、内心ウヒウヒしながら眺めつつ
鳥井の作ったなべやきうどんを、食べたいだけなんです~エヘ。)

そして、鳥井と一時はいわば共依存のような状態だった坂木も
彼なりに成長していって
ついに、ひとりで立つことを決意したとき
鳥井自身には、本当に外へ出て行くことが求められるのです。

 * * *

2008年後半、わしゃとにかくずっと
LえるLえる言うておって(笑)
大山たちのことを、あまり気にかけずにいましたな。反省。

でも、なんだかまた、書きたい気持ちがフツフツしてきましたぞ。

大山たちが、ゆるゆる成長していくようなお話を書きたいと
思うようになってきましたぞ。

Tc0406
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

女王国の城

05

シリーズ前作「双頭の悪魔」から
15年ぶりということで
期待して、読ませていただきました。

ええ、ええ、何よりもショックでしたのは
すてきなお兄さんだったはずの探偵役・江神二郎さんが
いつのまにか、うんと年下になっていたことです。

ああ、時は残酷(涙)。

というわけで、新年明けて第2回目は
有栖川有栖「女王国の城」(2007 東京創元社)

 * * *

時はバブルの時代。
消息を絶った部長、万年大学生の江神二郎の身を案じ
アリスたち推理小説研究会の4人の後輩は、彼の行方を追う。

たどり着いたのは急成長する宗教団体「人類協会」の聖地、神倉。
UFOを信じ、宇宙人との邂逅を信じる街だ。

4人やっとの思いで、江神と再会したのもつかのま
人類協会の施設内で殺人事件が勃発!
警察の介入を、なぜかかたくなに拒む人類協会により
推理小説研究会の面々は、とらわれの身となってしまった!

 * * *

序盤、ゆっくりした展開に少々もどかしく思いつつも
「15年ぶりだし、そう慌てて本題に入らなくてもいいか」
と、法事でひさしぶりに会ったイトコに対するみたいな(笑)
ぎこちない、けれど懐かしい、妙な感覚で読みすすめました。

前3作と同様(といってもあまり憶えてないけど)
端正に構築されたロジックは、やはり読み応えがありましたし
UFO談義や、宇宙人談義も
年末にビートたけしの番組を、必ずかぶりつきで見る(笑)
ミーハーUFOファンのわたしにとっては、たいへん楽しいものでした。

むかしの自分ならば、おそらく
「きゃーきゃー江神さーん」などとはしゃぎながら
アリスたちといっしょになり、このクローズドサークルを
モラトリアム的に、無邪気に堪能できていたと思います。

しかし今回、楽しみながらも
どこか一歩ひいて読んでいる自分というものがあって
けっきょく最後まで、みんなの輪の中に入ることができませんでした。

これが、はじめてこのシリーズに触れるとかだったら
きっとこんな感覚には、ならなかったと思うのです。

ええ、なにぶんにも15年の年月は大きかったのです(爆)。

法事でひさしぶりに会ったイトコと(いまだと正月にも会わないよね)
話すには話したけれども、当たり障りのない近況ばかりで
お互いの価値観にも、ずいぶんズレもあるみたいで
子どものころは、こんなふうに話題を探ったり
気を遣ったりして喋らなかったのになあ……みたいな

けっきょくそんな調子で
うまく互いにとけ込めないうちに、法事も終わってしまい
ちょっともの足りないような、淋しくて、切ないような
そんなときの感情にも、似ているような気がしました。

おいおい、ミステリ読んでて淋しくなるなんて
あたしゃアリス以上の淋しがり屋かもっかもっ(笑)。

そんな、チョー淋しがり屋な読者がいるということを
見越したうえの、あのラストシーンだったのでしょうか。
それとも、ひょっとしたら有栖川有栖氏本人が
書きながら、そんな淋しい気持ちを味わったのかもしれないなあ
なんて、ふとそう思いもしました。

Tc0213
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

子供たち怒る怒る怒る

02

怒ってるついでに
今日は、ものすごく怒ってるタイトルの本のレビュー(笑)。

佐藤友哉氏。
西尾維新氏や、舞城王太郎氏、乙一氏など
若い世代(メフィスト系? ライトノベルズ系?)の作家さんで
ものすごく、気になってはいるんだけど
「果たしてオバチャンについてけるのかしら」という不安が先立ち
どうしても、手が出せずにいた作家さんのひとりです。

で、もー参った、参りました。このタイトルは秀逸です!
また、単行本の装丁が
黄色いセーターを着た子どもとクマのぬいぐるみなんだけど
ちょっと異常な雰囲気で、思わず手にとってしまいました。

佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」(2005 新潮社/2008 新潮文庫)

まず、最初に申しておきたいのが
「残酷なお話が苦手な人は、絶対に手を出してはならん!」
ということです。
まさか、こんなグロテスクな物語だとは思いもせず……。
さすがにわたしも、くり返して読む気はしないす。
(やっぱりオバチャンにはムリナノ?)

 * * *

6本の作品が、おさめられた中短編集です。
主役は子どもたち。
虐げられ、抑圧され、我慢しつづける子どもたちです。

さまざまなものが、彼らを阻みます。
彼らが子どもであるが故の、未熟な価値観からくるものであったり
あるいは、歪んだ大人の世界を映した鏡のようなものであったり。

彼らは、自己防衛のために
世界を閉ざしたり、暴力的になったり
あえて無力になったりと、あらゆる手段を使うのです。

小さな背丈で、ありったけの知恵を絞りまくって
生きるすべを模索する姿が、どうにも痛くて胸に迫ります。

 * * *

表題作「子供たち怒る怒る怒る」は
神戸に出没する「牛男」と呼ばれる残酷な連続殺人鬼と
それをネタにしてゲームをする子どもたちの物語。
荒さはあれど、残虐度・強なれど(汗)独特の疾走感があって
わたしは、一気に持っていかれました。
そして

ぼくたちは間違っていないでしょう?

このひと言には、ココロをわしづかみにされました。
ぼろぼろと、涙が溢れました。

Tc0125
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

チルドレン&グラスホッパー

03

ひさしぶりに本の話題じゃ!

昨年末から、伊坂幸太郎氏にハマっていると
申してましたっけ、申してませんよね?

最初、読んだときに
これまで、この作家さんの作品に対して
ぜんぜん興味を持たなかった自分を
思わず「バカ、バカバカバカ」とののしり
ポカポカ殴りつけたくなったぐらい、後悔しました。
それぐらい鮮烈に、心を打たれました。

 * * *

その、最初に読んだ作品が、これ!
伊坂幸太郎「チルドレン」(2004 講談社/2007 講談社文庫)

 
ミステリ短編集です。
描かれているのは、日常の謎。
また、ここに書かれた5本の物語は
ある接点でつながっています。

この物語に登場する人たちの会話がじつに魅力的。
心地よいテンポで、生き生きとしていて
おまけに、ものすごく大切なことを、シレッと口にしちゃう。

この「シレッ」というのがいいんですわ~。
小難しいことを、小難しく、重いことを、重く書くことは
ある程度、誰にもできるけど
そんなんじゃなくて
簡潔に、それでいてインパクトのある言葉を
ホントに「シレッ」と、こちらまで届けてくれるんです。

じつに気持ちがいいのです。
読んでいて、快感をおぼえるのです。

そして、胸にひびくそれらの言葉に思わずナミダしてしまうのです。

 * * *

そんでもって、たてつづけに読んだのがこれこれ!
伊坂幸太郎「グラスホッパー」(2004 角川書店/2007 角川文庫)

 
妻の復讐をもくろむ、元教師・鈴木。
人を絶望させる能力を持つ殺し屋・鯨。
女性や子どもも平気で殺せるナイフ使い・蝉。

裏の世界で生きる、まったく違うタイプの主人公3人。
この3人の視点で語られていくそれぞれのエピソードが
ある時点で交差したとき、物語は一気に加速しはじめる……。

 * * *

描かれている「裏社会」に、独特のオリジナリティを感じます。
鯨がやってる自殺屋とか、「押し屋」とか「劇団」とか
かかわりたくは絶対ないけど(笑)
本当にあったら興味ぶかいなあ、と思わせるものばかり。

そういう陰惨な世界を描いているのに
けっこう残酷に展開するシーンもあるのに
文章が、とにかく気持ちいいんです。
ここちよいリズムと、距離感。映像的で、強くイメージに残る。

3人のうち、元教師・鈴木の「裏」にそぐわない
チョーお人好しっぷりが、このお話の見どころでしょう。
鈴木と、事件にかかわった子どもたちが
つかのまの再会を果たすラストシーンがたまらなく切なく
また、思わずニヤリともしてしまいました。

コホン……ちなみにわたくし
そんなお人好し鈴木を〈アリエール〉草なぎ
鯨を〈オッチョ〉トヨエツ、蝉を〈銭ゲバ〉松ケンに
脳内変換させて読んでしまって
もー、興奮しまくり萌えまくりでしたの!(笑)

Tc0103
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

 

| | コメント (0)

アヒルと鴨のコインロッカー

02

本題を始めるまえに、ちょっと叫んでいいでしょうか……。

あああーっ「銭ゲバ」ーっ!

……失礼いたしました。
今日は、本の話題。

この作品、2007年に映画化されていて
そっちのほうも、予告編を見てかなり気になってはいたのですが
先日よりごらんのとおり、伊坂氏の文章にホレ込んでしまったので
まず、原作から読んでみようと思いました。

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」
       (2003 東京創元社/2006 創元推理文庫)

 * * *

大学に入学し、ひとり暮らしを始めた青年・椎名は
河崎と名乗るアパートの隣人から「本屋を襲わないか」と誘われる。
お人好しの椎名は、断りきれないまま
本屋を、河崎とともに襲撃し
広辞苑を奪う手伝いをさせられてしまうのだった……。

 * * *

映画の予告編で、これだけの情報を得ていたわたしは
てっきりこの作品は、いわゆる「日常の謎」モノだと思っていたのです。
だけど、読んでみたらちょっと違った。

物語は、ふたつの時間軸が同時に流れて進んでゆきます。
主人公である椎名の視点と
琴美という名前の、もうひとりの主人公の視点。

このふたつには、どこかで接点があるに違いない。
しかもそれは、とてもやりきれない出来事なのに違いない、と
そう予感させる何かが、ずっと物語の底に横たわっています。

そして、たしかにその予感は的中しました。
とはいっても、こちらの予想から一転二転した
意外な真相がそこにはありました。
とても静かで、淡々としたドンデン返し。

椎名が、あるときそうしたように
わたしも想像力を懸命に使い、最大限の同情をこめて
「ああ、そうだったんですね」と、心のなかでつぶやきました

いろんな部分に、想像の触手をのばしながら読むとよいと思います。
ここで、ひとつの物語が終わっても
さまざまな別の物語が、たくさんの人のもとで続いているんだよね。

 * * *

ところで、こうして原作を読んでみて
「これを映像化するなんてこのままでは絶対にムリ。絶対に不可能」って
わたし、まじで思ったんですけど(汗)。

だけどちゃんと映像化されて、映画化されてるのよね。
(しかも、めちゃめちゃ評判いいんだよね)
ああ興味津々。アレのアレは、いったいどう表現されたんだろうか!

と、いうわけですので、映画のほうも観たいと思っているのですが
大人気で、いつ行っても貸し出し中なんだよこれが!

Tc0115
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ふたたび陽気なギャング

01

いま、伊坂幸太郎氏原作の映画が、公開ラッシュだということに
ここにいたって、気付きました(゜ロ゜;。

「フィッシュストーリー」は現在公開中。「重力ピエロ」は5月公開。
どちらとも、まだ原作を読んでません。
読んでから見るか見てから読むか、また悩まなきゃなんない(汗)。
ええと、それから「アヒルと鴨のコインロッカー」は
映画のほうを、まだ見れてないんだよね。ああ、混乱しそう。

……というわけですが
混乱のすえに、映画鑑賞が先になっていたのは
「陽気なギャングが地球を回す」(2003 祥伝社/2006 祥伝社文庫)
あらためて原作を読みました。

そして、続編のこれも読了。
「陽気なギャングの日常と襲撃」(2006 祥伝社)

ちなみに、映画「陽気なギャングが地球を回す」の辛口な感想はこちら。

 * * *

人の嘘を一発で見抜く男、成瀬
体内時計を持つスーパードライバー、雪子
動物好きなスリの若者、久遠
口から生まれたような演説の達人、饗野。

天才的な能力を持つ4人の正体は
巷を騒がす、オシャレで陽気でスマートな銀行強盗!

「陽気なギャングが地球を回す」
せっかくの「売り上げ」を、逃走中
同じく逃走中の、現金輸送車を襲った犯人たちに
お金を横取りされてしまうところから始まります。
さらに中学生のイジメ事件や、殺人事件もからんで
事態は、思わぬ方向に!

続編の「陽気なギャングの日常と襲撃」
おなじみの4人を、それぞれ脇役に据えた短編と
それとつながる「社長令嬢誘拐事件」。

この4本の短編が、わりと気に入ってます。
それぞれの物語の主人公は、自分のそばにいる人が
特殊能力を持ってるとか、じつは銀行強盗だなんてこと
知らないわけです。
なので「フフン、知ってるのはわしだけじゃ~」なんて
ちょっと、優越感ていうんですか(笑)、それが味わえますの。

 * * *

それぞれのキャラクターのイメージは
成瀬は、映画と同じように大沢たかおさん
饗野も佐藤浩市さんで、充分にいけましたが
雪子さんはちょっと違ったかな……。
どちらかといえば、深津絵里さんみたいな
ちょっと小柄な女性、という感じがしました。
(「踊る」のすみれさんのときみたいにショートボブで)
久遠くんは、松田翔太くんで、全然オッケーなんですけど
わたしのチョー個人的なこだわりで、申しますと
久遠くんの感じは、まさに「よっちゃん」だったのです!

ス、スミマセン。
急に「よっちゃん」といっても
何が何だか、誰もわかりませんよねえ(汗)。
水村好男。わたしのオリジナルキャラです。
小説「見上げた空は」(BL小説なのでご注意!)と
戯曲「major」 に登場している、天然ボケ青年です。

T001

現時点では、ウラ設定ということになるのでしょうが
よっちゃんは数年後、本当に役者になっちゃいますので
そのときに演じるのが、この「久遠くん」みたいな
そーゆーイメージなわけで(笑)。

あああ、妄想してるわ。混乱してるわ。

ところでこの
「原作のイメージと映画がちがったときにどうする問題」
については、いろいろ思うこともあるので
またあらためて、お送りしましょう。

昨日、「ロサンゼルスBB連続殺人事件」を読んで
西尾維新氏が描く、Lの人物像に、かなりの衝撃を受けたので(笑)
それとか踏まえて。

Tc0403
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ロサンゼルスBB連続殺人事件

まさか図書館で見つけるとは、思わなかった。
(だってこういう本って、ファンが手もとに置くためのでしょ)
なんて豪華な装丁なのでしょう!
黒の布張りに銀色のロゴ。しおりも凝ってます。

Ty18lo

西尾維新・大場つぐみ・小畑健(集英社 2006)
「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」

これもまたタイトル長ッ!(笑)

……しかし、人間の心理って不思議ですね。
ここまで贅沢な作りの本で、しかもこんだけ薄いとなると
「きっと中身はたいしたことないんだろうな」って(爆)。

 * * *

世界の名探偵Lが、初めて「竜崎」と名乗った事件。
「デスノート」本編でもおなじみのFBI捜査官、南空ナオミが
彼の手足となって、連続殺人事件を捜査します。

映画化の、ちょっと前に発表されていますから
わたしがハマった「松山L」の、誕生以前なんですよね。
(そう考えるとなんだか新鮮ですわ!)
つまり、原作のLをイメージして読むほうがベターなのね。

まず、とっかかりは、やはりちょっと抵抗があります。
「これコメディ? ていうかギャグ?」みたいな
少なからず、とまどいを感じました。

とくに人物描写は
「これきっと、コアな原作ファンには大不評なんじゃない?」
と、他人ごとながら心配したくなるほど。
また「西尾維新も初めて読むし、デスノートもLのことも知りません」
という人(まず手に取らないでしょうけど)にとっては
あのキャラクターは、ドン引きでしょう。

幸いにも、わたしはすごく浅いファンですし
「Lのお話だ~」と思って読んでるから、とても楽しめました。

「竜崎」が、イチゴジャムを一瓶、飲み干すシーンとか
四つん這いでバック走してくるシーンとか
「赤ずきんチャチャ」に対して熱弁ふるうシーンとか
信号なんて生まれてこのかた守ったことない、と自慢するとか
南空ナオミに、腹を踏まれて「うげ」となるシーンとか
ええ、ええ、ずいぶん楽しませていただきました!

 * * *

パズル解きの部分は「へー、ふーん、そう」という感じで
ザクッとページを進めたので(汗)
読み終わるまでに
おそらく、小一時間ぐらいだったのではないでしょうか。

で……

やられたーッ!(嬉)

あたしゃすっかりナメてかかっておりましたよ。
この、西尾(呼び捨て)とかいう若造を!
……たしかに、途中で数回「ん?」って引っかかったのよね。
でもうまい具合に、この西尾(呼び捨て)に乗せられて
最後まで、ああ最後まで、パー助のまま行っちゃったのよね。

おそらく「きっと中身はたいしたことないんだろうな」って
思いながら手に取ったあたりから
わたしは、この本の術中にハマっていたのだと思います。

おみそれいたしやした!

↓以下、少々ネタバレ気味なのでお気をつけて。

それにしても、あの模倣はどこまでが模倣だったのでしょう。
あの状況で模倣をする必然性は、まったくなかったのに。
それなのに、あえてそれをやったのは何故。

まさか、やらざるを得ない、というか
模倣そのものが、パーソナリティだったのか。
「あの人物」の業は、文字どおりそこにあったのか。

Tc0123
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

フィッシュストーリー

01

わたくし、大カンチガイをしておりました。

伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」(2007 新潮社)

目次に並んだ、4つのタイトル。
いつもの伊坂作品のごとく
一見、無関係そうに見えても、じつは
どこかでつながっているという連作短編集なのだと。

で、それが今回、映画化されたのだと
わたくし、そんなふうに、大カンチガイをしておりました。

1作目、2作目と読みすすめながら
ちょっと「?」と思って、そして
3作目の表題作「フィッシュストーリー」に至って
はじめて、これら4作品が
全然ちがうお話なのだと、気づいたのです(爆)。

 * * *

んで、表題作の「フィッシュストーリー」
映画にもなったぐらいだから、期待をしてたわけです。
「アヒルと鴨のコインロッカー」のスタッフが作った、と聞いているから
 それと同じくらい長い話なんだろうな~って、やっぱ思うよね…笑)

しかしこれが
短編作品を、さらに短く分ける構成になっているので
ひとつのエピソードがすごく短くて
「えっ、これだけ?」って
正直申しまして、なんか拍子抜けした感じでした。

ここんとこずっと、伊坂イサカ伊坂いうとったけど
そうそう気に入る作品ばっかりというわけでもないだろう。
やっぱり、さすがに疲れたわね……などと、思っていたら

4作目の「ポテチ」が、最後の最後でキタ(泣)。

ちょうど、これを読んだのが
WBC最終戦の、あのドラマチックな日本チームの勝利を
目の当たりにしたすぐあとで、感情移入もしやすかったのでしょう。
ちなみにセンバツも、うちの地元はえらくがんばった!


ただ、ボールが遠くに飛んでくってだけのことに

人がでっちあげたホラ話ってだけのことに

わたしたちは、なんでここまで心を動かされるんだろうね。

Tc0204
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

終末のフール

01

ただいま、某所にてカンヅメ中……フフ(力のない笑い)。
このブログだけは、タイマーをセットして
自動的に更新されるようにしてみましたが(ヤホー、ちゃんとなってる?)
わたしら……世界が滅んでも、しばらくは気付かないと思います。

というわけで、今日はこんな本の感想といきましょう。

現在公開中の映画「フィッシュストーリー」
ひょっとして、その舞台の下敷きになっている世界はこれかな?

伊坂幸太郎「終末のフール」(2006 集英社)

「8年後に小惑星が落ち、地球が滅亡する」
と発表された、その5年後。
崩壊した世界で、仙台の団地「ヒルズタウン」に住む人々の
さまざまな人間模様を追った連作短編集です。

あと3年で世界が終わる。
そんなとき、人はどう生きようとするのでしょうか。

 * * *

思えば、わたしが子どものころ
途中で本がまっぷたつに裂けるほど、激しく読み込んだお話が
「地球に小惑星が衝突して滅びる」という内容のものでした。

それから「ムーミン谷シリーズ」の
ほかの作品は、すべて図書館から借りてすませていたのに
ムーミン谷に彗星がぶつかるというストーリーの
「ムーミン谷の彗星」だけは、ちゃんと自分で買って
いまでも、手もとに大事に置いてあるのです。
(ちなみに、わたしの座右の銘となっている
 スナフキンの名ゼリフは、この本の中にあります)

また、小惑星が地球に衝突する映画
「ディープインパクト」(1998/アメリカ/ミミ・レダー監督)では
しょっぱなの天文学者のシーンで、すでに大泣きでした。

どうやらわたしの心には、なぜか幼いころから
「地球が星とぶつかり滅びる」というやつが
原風景として、形成されてしまっているようなのです……。

 * * *

えー、そんなわけなので(笑)
一見、トンデミナイように思えるこの設定も
すんなりと、受け入れることができました。

ポイントは「それ」が発表されたのが、8年前だということ。
恐怖による世界規模のパニックで、社会秩序がまず崩壊します。
殺される人は殺され、死ぬ人は死んで
(こないだ見た「宇宙戦争」の、阿鼻叫喚シーンとか思い出すよ)
5年たって、やっとそれが沈静化しつつある。
いわば、すでに終末をむかえた感のある世界が、現在です。

生き残った人々も
それぞれ、大切な誰かを理不尽に失くしていたりして
その哀しみが、静かに深々と伝わってくるような気がしました。

物語じたいは、淡々としていますが
伊坂氏らしい「おー、そうきたか!」と思わせる展開と
軽妙ながらも心にひびく言葉の数々は、いつもどおり。
わたしは「冬眠のガール」がいちばん好き。
弱々しい女の子と思いきや、意外とたくましい感じが嬉しかった。

 * * *

ところで、こないだ知ったんですけど
「フィッシュストーリー」(公開中)、「重力ピエロ」(5月公開)につづいて
「ラッシュライフ」も、6月公開ですって!?

(゜ロ゜;ひ~!
伊坂幸太郎原作の映画、まさにラッシュ。
も、もう、もうこれ以上はやめて(泣)。混乱する。

Tc0204
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ふたたび死神の精度

Ty18lsu

ふたたび死神・千葉の登場~(笑)。
読んだの「フィッシュストーリー」より前だったんだけど
レビューは、ずいぶんあとになっちゃった。あは。

映画のほうは、個人的にはイマイチだったのですが
原作は、いったいどんなものでしょう。

伊坂幸太郎「死神の精度」(2005 文芸春秋/2008 文春文庫)

ちなみに、映画「Sweet Rain 死神の精度」の辛口な感想はこちら。

 * * *

音楽をこよなく愛する死神のもとで、くり広げられる6つの物語。
ある時は恋愛小説ふうに、ある時は本格ミステリで
そしてある時はロード・ノベルと
さまざまなスタイルで語られる、死を間近にした人たちのドラマです。

映画では、千葉役は金城武さんで、統一されていましたが
じつは、調査対象にもっとも近づきやすい
外見や年齢に、変幻自在なのでした!

なので、20代の若い男から、40代の中年男性まで
千葉さん、いろいろ変身していますが
ちょっとピントがズレたところは、変わりません(笑)。

話題はそれますが、ずっと観察していて
金城武のどこに惹かれるか、わたしようやく気付きました。

鼻の下だ。(゜ロ゜;

だから、だからせっかくの諸葛孔明でも、何の反応もしないんだ(爆)。
何しろ鼻の下は、ヒゲで見えないから!
(というわけで「レッドクリフ」、見に行くヒマが当分ないこともあり
 1&2揃ってから、DVDで一気に見るというプランである)

あとそれと
いつも言ってる気がするけど、人間じゃない役ね(笑)。
いまやってる、空飛んでビルをガコガコ壊しまくったり
ティラノサウルスと闘ったりするCMは、超ツボ!

 * * *

……話題、戻します(恥)。
「吹雪に死神」では、吹雪の山荘に閉じ込められた数人の客。
その中で起きる連続殺人……という
いかにも本格ミステリって感じのお話が楽しめます。
まさか、伊坂幸太郎が「吹雪の山荘もの」をやるなんて~ッ!

ところで、わたしが一番好きだったのは
「旅路を死神」。

殺人を犯し逃亡する青年と、車を乗っ取られて
その逃避行につき合う(予定どおり)死神の物語です。
この青年がバカで、愚か極まりなくて、切ないんだわ。
個人的には、できればこれを映像化して欲しかったかなあ。

それから、映画と同じく
最後にちょっとした仕掛けがあります。
映画の場合、3話でけっこうムチャにターンした
という印象があったのにくらべて
原作は、6話構成ということもあり
すごく自然に、スムーズに落ち着いたと思います。
Tc0501
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

失われた町

02

……朝のワイドショーを見てたら、速報が入ってきました。

とうとう……とうとう、アノ人(゜ロ゜;。
酔っぱらい伝説の最高峰に上り詰めたー!

えー、というわけですが(笑)、本題はこちらです。
伊坂幸太郎氏以外の人の本を、紹介するのは
ものすごく、ひさしぶりのような気が。
装丁も、すごく凝ってます。

 * * *

30年に一度、ひとつの町の住民が突然、跡形もなく「消滅」する世界。

正直、この設定を聞いて「くそぅ、やられた」と思いました。
「となり町戦争」の、作者のしわざです。

三崎亜記「失われた町」(2006 集英社)。

ずっと「町」をテーマにした物語を描きたいと思いつづけ
だからといって、何も具体的なプランのないまま来たのですが
ああ、ダメだ。
この人の作り出す「町」のアイデアの前では
ちょっと太刀打ちできない!

 * * *

30年に一度、ひとつの町の住民が突然、跡形もなく「消滅」する世界。

それらを思い出し、悲しむことは許されない。
そうすることは、自らもまた「町」に取り込まれ
消滅することになるからだ。

管理局は消滅した「町」に関するものを、次々と排除し
まるで、最初から
そんなものがなかったかのようにふるまうことを人々に要求する。

そのはざまで、大切な誰かを失った人、帰る場所を失った人
町の消滅により運命を狂わされた人々たちが
何を感じ、何を願っているのか。

そんな人々の姿を描く7作の連作短編が
時間をつなぎ、ひとつの大きな物語となっていく。

 * * *

文章というのは、個人的な好みが大きく出るものなので
いちがいにはいえないのですが
少々、饒舌すぎるきらいアリ……かな?
(「となり町戦争」のときには、感じなかったんだけどなあ)
たしかに美しい文章で、とても上手いとも思うのですが
たびたび、目の前を
すり抜けていってしまうような印象がありました。

もっとソリッドな文章にした方が、この世界観を効果的に
書きあらわせたのではないか、ということを素人ながらに思いました。
登場人物も、どこかしらステレオタイプで
「きれい過ぎ」という印象が、否めないかも。
わたしは登場人物たちに、もっと泥臭い感じで悩んで欲しかったかな。

でも、後半に登場する「のぞみ」は、すごくよかったです。
ポーンと突き抜けて、こちらへ来てくれたような感じがしたのは
彼女だけかもしれないです。

 * * *

ちょっと気付いたのですが
綿密に作られた世界観や、専門用語、独特の言葉づかいなど
押井守さんとか、庵野秀明さんとか
いま日本のアニメ界で、世界観を確立して
作品を作っている人たちのムードに、どこか似ていないだろうか。

高射砲塔や、居留地の南玉壁なども、ものすごく絵にしてみたいイメージ。
音楽も、ひとつの重要なキーアイテムとして使われているし
もし、これを映像化するとしたら
実写じゃなくて、絶対ぜったいアニメにして欲しいなあ。

そして、ふと気づくと「鼓笛隊の襲来」「廃墟建築士」と
そそりまくるタイトルの本が、並んでるじゃあないの!
うわあ、文句いってる場合じゃなかったよ(笑)。
やっぱ見逃せないですよ、三崎亜記氏。

Tc0109
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

ラッシュライフ

02

RCサクセションの「ハードフォーク・サクセション」
アマゾンさんで、ちょっとだけCDの試聴ができたので
試聴してみたところ

マイフェイバリットソング「去年の今頃」のなかの
「ふたりで~コタツで~紅茶を飲もう~♪」の次にくる
「♪オーティスのレコードォ、聴きなァがァら~ガッガッガッ
(できるだけ忠実に再現)という部分が
なぜか、消えてしまっていました……。

キヨシローがシャウトしてくれる
この部分が、チョー好きだったというのに!

何だろうか? (゜ロ゜;
なにか大人のモンダイが発生したのだろうか?

 * * *

あらためて考えると、伊坂幸太郎の作品って
忌野清志郎さんの持ってる世界に似たとこがあります。
孤高ともいえる反骨精神とか
鋭い言葉を、いきなり切りだしてきたりするとことか
じつはものすごく優しい部分を、隠し持ってたりするとことか。
というわけで、今回は

伊坂幸太郎「ラッシュライフ」(2002 新潮社/2005 新潮文庫」

 * * *

孤高の泥棒と、神に魅了された青年、
不倫中のカウンセラー、野良犬と銃を拾った失業者。

バラバラのパズルのピースのような4つの物語が
ある時点で、ひとつの絵に組み上がります。
恩田陸氏の「ドミノ」にも似た構成ですが
この「ラッシュライフ」のほうが、時系列的に複雑になってます。
本当に、まるで騙し絵のよう。

それでですね、映画化されるという情報をくわしく見ると
どうやら、東京芸術大学・映像研究科の
学生たちの手による作品らしい。
現在のとこ、地方での公開は決まってないようすで、残念。
学生さんの作品といってあなどるなかれ。
いい役者さんたちが揃っているんですよこれが!

泥棒「黒澤」が堺雅人。
青年「河原崎」が柄本祐。
カウンセラー「京子」が寺島しのぶ。
失業者「豊田」が板尾創路。

映画の予告編を見てみると、寺島しのぶさんが
ムチウチ症のときにするコルセットを首に着けてる。
原作では、膀胱炎でつねに尿意をガマンしているという設定なのだが
ビジュアル的に地味みたいなので、ムチウチに変更したのか
それともムチウチ症なうえ、膀胱炎という設定なのか?
いずれにせよ、寺島しのぶ演じる京子っていう役
めちゃ期待できそーなんですけど(笑)。

この、京子という女、ホントにヤなキャラクターでしてねえ。
トイレをガマンしてる描写のたびに
「あはは、ザマミロ」って、せせら笑っていたのですが
いっぽうで「さすがだ、伊坂幸太郎」とも思ったところがある。

好きなキャラとか、憧れのキャラとか、カッコいいキャラとか
みんなが共感できるキャラっていうのは、わりと誰でも書けると思うんです。
でも、ここまで共感できないキャラクターを
しかも、その人物の主観で書いていくなんてことは
よほど根性がすわっていて
よほどの人物観察力と描写力がないと、できないことだよ!

 * * *

あと、先日読んだ「フィッシュストーリー」にも、黒澤さん登場してました。
そっか~、堺雅人か~(嬉)。
黒澤さんは「重力ピエロ」にも出てるらしいんだけど
映画では、誰が演じてるんでしょうね。
でも、こっちはまだ原作も読んでないし
あまりくわしく知るのもイヤなので、そのままにしておく。

……ニュースで流れてた
キヨシローさんのお葬式、本当によかったな。

Tc0204
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

水の迷宮

夏です!

Ty33ll02

Lと陽人の、ミラクルなコラボです!

 * * *

それにしても、あっつい、あっついよ~(汗)。
気温は高いし、湿度は高いしで
朝っぱらから、フユカイきわまりない一日だよ。
ちょっとでも涼しげになるネタはないかと
探してみると、この本のレビューがありました。

じつは、半年前に読んでいたものなのですが
なんとなく、アップするタイミングを逃してました(汗)。
ちょっと辛口めの感想だしね。
(あ、急に辛口カレーを食べたくなった)

装丁に惹かれて手に取った一冊。
オビには「胸を打つ感動と、美しい謎」と書いてあります。
水族館が舞台のミステリということで
かなり期待して、読みはじめました。

石持浅海「水の迷宮」  (2004 カッパノベルス/2007 光文社文庫)

羽田国際環境水族館に届いた、一通のメール。
そして、展示生物を狙った攻撃がはじまる。
まるでわからない犯人の意図。
奔走する職員たちの中に、やがて犠牲者が……。

 * * *

水族館の描写が、本当にすばらしく美しいです。
「この水族館に行ってみたいなあ」という気持ちになります。
そんな場所が、テロの標的になるかもしれないのですから一大事!
しかも人質(?)になっているのは、お魚や海の生き物たち。

水族館職員である主人公たちが考えているのは
お魚たちと、それを見に来ているお客さまたちに
不安を与えないこと。まずそれが最優先です。
彼らの必死の努力によって
さいわいにも、生き物たちに犠牲は一匹も出ず
お客さまにも何の影響もありませんでした。

わたしは「うわあ、なんて美しい謎なんだろう!」と
正直、感動に胸を打たれました。
物語の序盤で、オビに書かれた通りの気持ちになったわけです。

ところが、中盤、とうとう殺人事件が起きたときに
巻き添えになった生き物がいたらしい、というくだりで
わたしのテンションは下がってしまった……。

この際、人命についてはどーでもいいから(爆)
生き物に犠牲は出て欲しくなかったんです。なかったんです。

……というか
最後まで読んでしまったあとから、考えたことで
余計なおせっかいだとも思うんですが
ここは、真相究明にいたる重要なポイントでもあったはずで。
主人公たちが、もっと引っかかってもよかったのになあ、と。

 * * *

石持浅海氏の描くロジックは
緻密に計算され、視点もおもしろくて、とても感心するのですが
ときどき「んもー、そんな細かいこといいからガガッと行ったれ!」
というような、もどかしい感じになるときがあります。
生き物たちのこともあって
殺人事件発覚後は、ちょっとそういう気分でした。

わたしとしては
なんとか、あの犠牲になった生き物たちを活かして
真相究明へのルートを、開いて欲しかったかなあ。
せっかく、水族館を舞台にした
水族館を愛する人たちの物語だったのですから。

しかし、とにかく水族館の描写はすばらしい。
水族館に行きたくなることウケアイです。

んで今日は、辛口カレーを作ろっと。

Tc0127
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

妃は船を沈める

05

忙しいので、今日はササッと本題に入ります~。
本の紹介。臨床犯罪学者・火村英生と相棒アリスのシリーズです。

有栖川有栖「妃は船を沈める」(2008/光文社)

 * * *

岸壁から車が転落した。
溺死した男性には、1億円の保険金がかけられていた。
男は、多額の負債を抱えており
妻の友人、三松妃沙子という女性からも
数百万円の借金があった。

妃沙子は、自宅に若い男性をたくさん集め
彼らを援助することが、無類の愉しみ。
青年たちからは、彼女は「妃」と呼ばれている。

持つ者の願いごとを
3つだけかなえてくれる「猿の手」と
それを持っているという妃沙子。

彼女の願いごとは何なのか
果たして事件の真相は。

 * * *

お話は「猿の左手」「残酷な揺り籠」という中篇2本と
この2作品をつなぐ掌編「幕間」で成り立っています。

もうひとつのシリーズの
久しぶりに出た新作「女王国の城」
ステキなお兄さんだったはずの探偵、江神二郎さんが
いつのまにかうんと年下になっていたのに
かなりのショックを受けたことは、書きましたが

火村さんとアリス
ずっと付き合って読んできたつもりだったのに
やっぱり彼らも、ふと気付くと、めっちゃ年下になってる~(泣笑)。

時間は流れてるんだけど、年をとらない
いわゆる「サザエさんワールド」なんですよね。
この「妃は船を沈める」の中でも
年月は、経っている設定なんですけど
どうも年はとってないふう……。

思ったんですけど、これって
「名探偵コナン」で、コナンが新一に戻らないうちは
みんな年をとらないのと同じように(笑)
火村さんが、ずっとこだわっている「過去の事件」を
なんとかしないと、アリスもほかの登場人物たちも
この先、ずっと年をとらないんだろうなって。

わたし個人としては
そろそろ、火村さんの「過去の事件」を読みたいです。

今回、新しい女刑事さんがお目見えということで
ひょっとして、そのための布石?
無邪気にネクタイのことを聞いてくるあたりとか
そうじゃないかと思ったんだけど、どうなんだろう。

 * * *

あ、肝心の本の感想がまだでしたね(汗)。
以下、ネタばれ気味なのでご注意。

「猿の左手」は、「やられた!」と、素直に嬉しくなりました。
それに比べ「残酷な揺り籠」は、ちょっとモタついたかな。

ただ、いずれにしても動機が弱い感じは否めない。

なぜかというと「妃」とまで呼ばれる女性が
そこまで人の運命を狂わせるような
魅力を持つ人に、思えなかったんです。

まあこれは、金持ちの幸せなモテモテ女に対する
ただのやっかみかもしれませんが(笑)。

だけど、ほかの人の感想をいくつか読んでみたところ
けっこうみんな、同じような印象を持っているらしい。
おそらく、有栖川氏自身がわざとこの人を
誰が見ても魅力を感じるような女性に、描かなかったんだろうなあ。

案外、そんなものなのかもしれません。
「運命の女」なんてもの
当事者以外には、あんまりピンと来ないのかもしれませんね。

 * * *

あと、評判が良いらしい掌編「幕間」。
わたしは……ちょっと引きました(笑)。
っていうか、ここで登場するレストラン(厳密には「猿の…」から)
に、正直ドン引きしました。

お店の雰囲気は、すごく良いけど
勝手に外国人の名前なんかで呼ばれたら
そりゃもー、気恥ずかしくって、気恥ずかしくって
ダーッて走って逃げたくなりますさ!

Tc0501
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

砂漠と、森のうた

Ty30ons

そーなんだよ。こいつらの大学生活も、ちゃんと描いてやらねばならんのだよ……。

やっと、梅雨明け宣言がなされたそうです。
しかしどうやら、さっそく台風が接近中とのことで
いったいどうなっとるんだ、今年の夏は!

でも、やっぱり昼間は蒸し暑くて、仕事がはかどらない。
DVD見たり本読んだりで、ずっとダラダラしてんだよね。

ああ、仕事がはかどらない。
……どーしたもんでしょ。トホホ。

気を取りなおし(汗)
伊坂作品つながりで、本日はこの本。

伊坂幸太郎「砂漠」(2005 実業之日本社/2008 Jノベルコレクション)

タイトルと単行本の装丁が、とても渋いので
渋い内容のお話なのかしらん、と思っていましたら
これが、違った。

「砂漠」というのは、社会という意味で
そこへ巣立つ前の「オアシス」が大学。

5人の大学生を中心に描かれた青春小説です。
入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン、学園祭、と
ごくごくフツーの学生生活が(ちょっとフツーでないとこもあるけど)
描かれています。
青臭いモラトリアムさが、こそばゆくてじつにいい感じ。
麻雀のシーンは斜め読みですませちゃったけどさ、はは。

「アヒルと鴨のコインロッカー」の椎名クンも
お隣さんが「河崎」じゃなかったら
ひょっとして、こんな学生生活を送ったのかもしれません。

それから、厳密にはミステリではありませんけど
伊坂氏らしい仕掛けは、ちゃんとあって
思わず「ああっまたやられた!」なんて思っちゃいますよ。

ところで、この「砂漠」を読んでいたときのこと。
2006年に他界した指揮者の、故岩城宏之氏が
ご自身の学生時代をつづった「森のうた」という
エッセイ集があるのですが
なんとなく、それを思い出してしまいました。

あれ、なぜだろう……と、しばらく考えてみたところ
おそらく「西嶋」と「山本直純」のキャラが
どこかしらで、カブってんのね。
「西嶋」は、登場人物としてはおもしろいけど
実際にいたらうざったい、というキャラでしたが
故「山本直純」氏はまさに、実在した人物!
ああ、ナオズミさんに悪いなあ。どうしよう(笑)。

脱線ついでに、じつは「森のうた」は
健全マイルドなBL好きというかたには、萌えの一冊です!
興味があったら、ぜひ手にとってみて下さい。
わたしも、押入れの奥から引っぱり出したくなっちゃった!

仕事……しようよ、自分。

Tc0409
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

 

| | コメント (0)

ぼくのメジャースプーン

01

本題の前に……。
すっごく悩んでいるんですよぅ。「BALLAD 名もなき恋のうた」

「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を見た者としては
あれは、お尻出したりおねいさんにちょっかい出したりの
お下劣アニメ「クレヨンしんちゃん」を楽しんでるはずだったのに
思いがけず、泣かされてしまった……ってとこが
おもしろかったんじゃないのか説を、唱えているので。

最初から「悲恋です」「泣けます」っていわれて
感動を求めて見てしまうのって、ちょっと抵抗があるんですよね。

でも最近、TVで草なぎさんのがんばり具合を見てると
(本人が「和製タイタニックです」って無邪気に言いよるもんなあ…笑)
24時間戦国サバイバル生活とか
珍百景に出演し、おのれの「珍」ぶりを発揮したりとか
本人役(チョー棒読み)でアニメに登場とか
あまりにも、愛しすぎて愛しすぎて(笑)
こりゃやっぱ、見にいってあげたほうがいいのかしらって。

迷ってるぐらいなら行けばいい、と思ってるんです。
ほかに何もなかったら、行くと思うんです。
でも今月は、とにかく見たい映画も用事もいっぱいあって
時間と金のことを考えると、厳選して見なきゃなんないんです。
(しかも先週は、予定になかった「20世紀少年」に行っちゃったし)

あああ、悩む~~~!

……というわけで、本日は本の話題。

辻村深月「ぼくのメジャースプーン」
(2006 講談社ノベルス/2009 講談社文庫)

 * * *

ある日の朝、小学校で起きた事件は
小学4年生のぼくらにとって
TVのニュースなんかより、もっとずっとひどかった。
ふみちゃんは、そのせいで心を閉ざしてしまった。

眼鏡をかけ、歯の矯正金具をはめたふみちゃん。
頭がよく、心やさしい、がんばり屋のふみちゃん。
たいせつな「ぼく」の幼なじみ。

彼女のために、ぼくは犯人に戦いをいどむ。
ぼくだけが持っている、秘密の力で。

 * * *

この「ぼく」が持っているのが
「条件ゲーム提示能力」という、ちょっと混んがらがる能力。

混んがらがるので、説明は省きますが
この能力をめぐる問答が、かなりおもしろいんです。
人が犯す罪と、それに対する罰について
いろいろと、真摯に考えさせられます。

たとえば、死刑をのぞむ人間に死刑を執行しても
それは、果たして「罰」なんだろうか、とか。

同じ罪や罰でも、被害者側、または加害者側という
ちがう視点に立ってしまったら
きっと、ずいぶん違って見えるんだろうな、とか。

いったい何が復讐になって、何が救いになるんだろうか、とか。

裁判員制度がはじまって、いつ人を裁く立場になるかわからないけど
そんな覚悟って、いまの自分にあるのかな、とか。

小学4年生という子どもの視点から描かれているのもあり
いままで大人たちが深く考えずに、ごまかしていたようなことも
洗いざらいオモテに出されるような、ちょっと怖い気もしました。

で、その問答の相手というのが、大学の先生で
「ぼく」の母方の親戚の、秋山一樹教授という人なんですが
この秋山教授には、まったくわたしは悪いことをした(笑)。

てっきり「おじいさん」だと思って、読み進めていたのですが
ある程度まで読んだところで
この人が、そう年寄りでもないらしいことに気付きました。
ああ、しまった。ずっと「平泉成」の姿で読んでいたのに!
50代前半? ひょっとして40代か30代後半というのもありうる?

(;´д`)汗。

で、「ぼく」のイメージは、ゆうべのスマスマで
みょ~な落ち着きっぷりを披露してた、武井証くんなんていいなあ。
声としゃべる調子が、大人の女性っぽくて
ガッキーとどっちがしゃべってんのか、わからないときもあったよね。

 * * *

秋山教授、どうやら「子供たちは夜と遊ぶ」という作品にも
登場しているらしいので
そっちの作品も、いずれ読んでみようと思っています。

そして「BALLAD」。
証くんをもっと見たい気もするっちゃあ、する。

Tc0205
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)

MAZE

05

本題の前に……。
某国民的アニメの、実写映画化についての情報が
とうとう解禁になったようです。

おっ、森雪が戦闘機乗りに変更されておる。カッケー!
お医者さんと通信士(本来、森雪がやってた仕事だね)も
女性キャストに変更されてて
これはこれは、ちょっと、華やかな画になりそうですな。

で、デスラー総統のキャスト発表は、まだ?

というわけですが(笑)
本の感想も、たまりつつあるので
ここらで、ちょっと消化しとかないと。

恩田陸「MAZE」(2001双葉社/2003 双葉文庫)

 * * *

アジアの西の果て。
深い谷を越えた場所に、不思議な植物に覆われた
白い矩形の建造物がある。

「存在しない場所」と呼ばれるそこは
いったん中に入ると
戻ってこない者が、数多くいると伝えられている。

その場所へ、謎を解き明かすためにやってきた4人の男たち。
果たして、真相を掴むことができるのか?

 * * *

恩田陸氏のファンの友人が、よく
「最後は、けっこう放りだされるんだよ~」などと言ってたのですが
今回、ああ、こういうことか~、と納得(笑)。

そういうの、キライではないです。
自分なりの解釈ができて、納得できれば、むしろ好きなほう。
ただ今回は、ちょっと急ぎすぎみたいな感じがします。

展覧会で、最初のほうで時間をとり過ぎてしまって
最後のほうは駆け足で見てまわってる、みたいな
なんだか、それと同じような気分でした。

途中「さっきの光や振動」というのが、いつのシーンか把握できなくて
わざわざ探しに、何ページも戻りましたんですよ。
このあたり、もうクライマックスだからね
集中を途切れさせられて、ブーブー文句を言いたいです。

ラストシーンについても
わざとあっけなく描いているんだろうな~、と思いながらも
消化不良の感は、否めない。
中盤が、最高に怖くて、面白かっただけに
読み終わったあと
「ちょっとちょっと何なのよ~」と
ちょっとオカマ風に、つぶやいてしまった。

そーそー、おねえキャラの、神原恵弥さんが強烈でしたね!
つい「やけにノリノリな木村拓哉」というイメージで
(ぜったい古代クンよか、こっちが似合うって)
脳内変換して、読んでしまいましたが
これ、あながち間違ってないんじゃないかと(笑)。
カップヌードルのCMで仮装して歌ってる
カレーコロチャーカレーコロチャー♪の、ハイテンションな雰囲気で。

神原さんは「クレオパトラの夢」という作品にも
登場しているらしいですね。
この「MAZE」で、主人公だった時枝満くんも
かなりいいキャラしてて
ふたり、結構いいコンビと思うのだけれども
たぶんこの人たち、もう二度と会わないんだろうなあ。

 * * *

なんだか最近、いろんなコトにブーブー文句たれてるような気が。
もっと心を広く持たねば、なあ。

Tc0501
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

 ←あっ1円、安い!

| | コメント (0)

江戸なのか、現代なのか

01

ゆうべ「おもしろいよ」と薦められて見たドラマ
「JIN -仁-」が、ホントにおもしろかったんです!

現代のお医者さんが、なぜか幕末にタイムスリップしてしまい
そこで、人々を治療していく、というお話なのですが
幕末当時の医療状況や、それに対して現代はこうなっている
みたいな、医療マメ知識が、とても興味ぶかい。

タイムスリップものということで
病気を治すことで歴史が変わるかも、というハラハラ感もありーの
坂本龍馬と友だちになったりしてるから
(あっしまった。勝海舟のエピソードを見そびれたらしい)
ひょっとして、明治維新にもかかわるのかな、という期待もありーので
忘れなかったら(日曜は忘れるんだよ)
次回もちゃんと見るぞ。ペニシリンだ~、ペニシリン~。

 * * *

というわけで。
先日、「ギャラクシー・クエスト」の、紹介のときに
「スタートレック」の話題が、ちょっと出たので
「あ、そういや、そろそろDVDが出るころじゃないかな?」
と思って、調べたところ、まさに来月発売の予定でした。

ほかにも「MW-ムウ-」と
「ウルトラミラクルラブストーリー」が、発売予定。
「重力ピエロ」は、ちょうど出たばかりのようですね。

amazonさんのアフィリエイト用画像が
意外と役に立ったと、先日、ふとしたことでわかったので
それぞれのページにアフィリエイト、はり切って加えておきました。

そして、井坂幸太郎原作といえば、映画がもうひとつ。
来年早々「ゴールデンスランバー」が、堺雅人主演で公開されるそうな!

今回、読んだ小説は、そんな井坂氏のデビュー作。
(前置き長くて、すみません…笑)
いつも「映像化は困難」といわれてる作品が、ちゃんと映像化されてるけど
この作品は本当に、映像化が困難だと思います。

井坂幸太郎「オーデュボンの祈り」 (2000 新潮社/2003 新潮文庫)

 * * *

コンビニ強盗に失敗し、逃走していた伊藤は
気付くと見知らぬ島にいた。

江戸時代から150年間、外界から遮断されたままの
「荻島」には、おかしな人間ばかりが住んでいた。
ウソしか口にしない画家。
島の規律として、殺人を許された男。
体重300キロもある女性。
そして、未来が見え人と話ができるカカシ「優午」。

ある夜、その「優午」がバラバラにされ、頭を持ち去られる。
未来を見通せるはずのカカシなのに、
なぜ優午は、おのれの死を阻止できなかったのか?

 * * *

井坂幸太郎のデビュー作ということですが
じつは、う~ん、かなり微妙……。

おもしろくなかったわけじゃない。
むしろ、読んでるあいだは、カカシがしゃべるという
この不思議な世界にハマりましたし
続きだって、気になって気になってしょうがなかった。

ただ、ぜんぶ読んでしまったあとの
読後感が、あまりスッキリしていないというか。

たぶん、このお話の舞台となった
「荻島」の全貌が、見えてこなかったのが
原因じゃないかと思いました。
江戸時代から150年も鎖国をしている、というわりには
誰も、チョンマゲ結ってるわけでもないし
インフラは整備されてるし、バスも通っているし。

この島の大きさは、いったいどれぐらいなんだろう。
そして、どれぐらいの人間が、この島に暮らしているんだろう。
そういう大きな疑問が、解けなかったんです。
こんなこと、本筋には関係ないといや、関係ないんですけど(汗)。
アタマのなかで、映像としてのイメージをわかせるのが
少々、困難でした。
せっかくだから、島の地図とかつけてもらいたかったなあ。

残虐な犯罪が、けっこう起きているみたいだし。
これが、数百人のなかで起きるか、数千人のなかで起きるか
あるいは数万人かでは、感じかたがぜんぜんちがう。

正直、この島で起きている犯罪は、質も数も
数万人レベルの街での犯罪に、匹敵するぐらいに思え
その部分に、とてもアンバランスな印象を持ってしまった。

それから、グロテスクな描写が多いのは
きっと作者がまだ若かったからでしょうかね。
ここに関しても、何かどこかがアンバランスな感じが。

でも、悔しいことに、このアンバランスさが悪いというのでなく
何ともいえない魅力になっていることは、確かなんです。

いつもの井坂作品に見られる
パズルがきちっとはまっていく快感とか
「この島に欠けているもの」についてのオチとか
いい感じの余韻も、ちゃんと味わえます。

 * * *

ちょうど、「カイジ」の公開中ということもあり
(ギャンブルとかカードゲーム苦手やけん、映画館までは行かんの)
チンケな犯罪者の主人公・伊藤を、藤原竜也くん
彼と行動をともにする、日比野(犬に似てるとの描写アリ)を
松山ケンイチくんという
デスノコンビのイメージで、読んじゃいました。

さらに、幕末のカカシ誕生のエピソードでは
「JIN -仁-」にあやかり、大沢たかおと内野聖陽で。
これは、かなり萌え(爆)だす。

Tc0124
人気ブログランキング
P-NETBANKINGランキング

     

| | コメント (0)